京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

林業大学校開校記念 平成23年度 森林・林業セミナー

京都府立林業大学校の4月開校を契機に、森林・林業関係団体、林業事業体等が力をあわせて担い手の交流・育成に取り組んでいくため「京都府林業の担い手交流・育成協議会」設立総会が開催されました。
府内各森林組合、木材組合等関係団体、行政関係者など、約180名が参集され、午後からは林業大学校開校記念「森林・林業セミナー」が開催され、参加しました。
京都府の今西農林水産部長のご挨拶のあと、記念講演。
 

  
京都府の森林・林業の経営改革に向けて」と題して、〜川上から川下までの経営展開〜について京都大学フィールド科学教育研究センター准教授であり、芦生研究林長の長谷川 尚史氏のお話を聞かせていただきました。
 ◆これからの森林管理・経営に求められるもの(森林管理の目的と精密林業
 ◆実際にどのようにして山から木を出して利用するか?(作業システムの選択 架線系か車両系か?)
 ◆流通について考える(京都府における木材流通シュミレーション)
  

  
専門的なことは、わからないことも多くありましたが、長い年月をかけて育ててきていただいた京都府内の森林の多くが、これから収穫の時期を迎えるにあたって、林業というものの重要性・魅力・無限の可能性をヒシヒシと感じ、たいへん興味深く聞かせていただきました。
「森林は魔法の工場であり、魔法の倉庫である」という言葉が印象的でした。
その後、林業の経営高度化に向けた取組報告がありました。
◆モデル的な間伐団地を目指した取組  (中丹普及指導区 舞鶴市森林組合
  


  有名な林ベニヤ産業(株)には数年前と昨年視察に行かせてもらいましたが、東日本大震災後、需要が多くなり、木材の供給が間に合わないくらいだそうです。
集約化施業ができるよう、まずは久田美地区をモデル団地として選定され、所有者の調査、民間事業体との連携、現地調査、所有者への説明、現地たち合い、施業同意、長期管理委託契約の締結、作業道開設、間伐、搬出作業の実施、府タスクチームによる工程調査、コスト調査、分析など、一つずつ本当に時間と手間がかかるのだと痛感しましたが、3年後には少しでも利益がでるよう、みんなで元気で活気あふれる林業をめざし、また、このような発表をしたいとたいへん頼もしく前向きなお話を伺うことができました。
◆これからの担い手育成の取組 (京都府林務課)
 京都府立林業大学校の教育体制について、お聞きしました。

平成24年4月、京丹波町に開校する西日本唯一、全国で5番目の林業大学校
新規就業を目指す2年間のコース「森林林業科」は2年次に「林業専攻」と「森林公共人材専攻」のどちらかを選択。森林組合等の協力を得て、現場実習で、応用力・実践力を養う「キャップストーン研修」や京都府立大学公共政策学部との連携や、販売台数世界№1のチェーンソーメーカー(株)スチールとの協力協定を締結され、スチール社から専門技術スタッフの3年間無償派遣や、林業先進国ドイツへの海外研修・現地林業大学校との交流等も予定されているそうで、すごいです!
  
(株)モンベルや(株)一澤信三郎帆布との共同制作の実習ウェアも、いい感じです。
2年コースの森林林業科では、京都府独自の資格として「高性能林業機械操作士」や全国初の資格「森林公共政策士」の取得も可能です。
また、社会人が働きながら学べる短期コースの研修科は、目的、経験にあわせてコースが選択できます。「林業レーニングコース」「経営力高度化コース」「森林保全・野生鳥獣害対策コース」は期間・対象者・内容・費用も様々。
また、森や木への理解を深める「森と木の文化コース」は、広く一般の方々を対象として、原則毎月1回、その都度募集して、色々な内容の講座を開こうとされています。

京都府内産材の品質向上を目指した取組 (京都府産木材認証制度運営協議会)
 京都度独自の品質規格「京都木材規格」についてなど。
  

  

講師の長谷川先生の講評は、とてもわかりやすく、キーワードは「地域特性」だとおっしゃっていました。
◆全国一律でなく、地域の特性に合わせて、苦労もあると思うが、森林が宝の山として活用できるように!
林業大学校をなぜ今開校するのか?京都の林業に必要性が出てきた。今が変革期、今後が楽しみ、色々な人材ごが入学予定でこれから大いに期待する。
◆認証・地方の規格、地産地消、これから重要。
A材は全国、全世界へ京都ブランドの発信に活用したり、B材、C材など、付加価値の低いものをどう活かしていくかが重要なポイントとなる。
閉会ご挨拶は森井林務課長。

林業大学校開校前の3月には、京丹波町の地域住民の皆さんと連携し、地域の活性化に結びつく企画事業や絆づくり、地域の振興を目指すため、「京都府立林業大学校地域連携協議会」が設立される予定です。
京丹波町内の団体(区長会、森林組合、商工会、社会福祉協議会観光協会等)や、個人、町、大学で組織し、大学校による地域貢献として雪かき、清掃、草刈り等のボランティア、町民講座の開講、小中学校教育都の交流・連携調整を予定されています。
地域による大学校運営への後援としては、実習林の提供、指定寮と大学校との連携調整、学生への食事提供、地域の祭り等、行事への大学校生の参画、協働など、地域の活性化、絆つくりに貢献していただき、地域に根差した林業大学校となるよう、期待しています。

夜は、淀川三十石船保存会総会に参加しました。