京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

京都府議会管外調査

今日と明日は、府議府民生活・厚生常任委員会の管外調査。

まず、埼玉県議会へ・・・

【地域防災力の向上について】

埼玉県では、地域と協力して防災・救援活動などを行う意欲ある企業や事務所について登録制度を実施。その登録数は全国1位であり、地域との連携や協力体制づくりを推進されています。
普段は、地域の防災訓練等に積極的に参加・取り組むとともに、災害発生時には地元の市町村や自主防災組織と協力して、それぞれ得意分野に応じて救出・救助・搬送活動、物資や資機材の提供、救護所・避難場所などの提供などの活動を行うこととなっています。
県はその企業などを登録・県内外に広く紹介することによって、企業等の地域貢献の寄与及び地域防災力の向上を図っておられます。

これは、以前、JR福知山線脱線事故の時に、近隣の事業所が 救援活動に協力されたことはきっかけとなり取り組みをはじめられたそうです。

色々なお話を伺いながら、15年前の昨日、1月17日早朝に起きた阪神淡路大震災尊い生命を失われた多くの皆さんに改めて心から哀悼の誠を捧げ、被災された方々のご苦労を思う時、身が凍る思いがしました。
月日が流れてもいまだ、癒されない心の痛みと闘いながらも、街の復興にご尽力された多くの皆さんに改めて心から敬意を表します。
震災を知らない世代にも、語りついでいくことも大切であり、当時、家屋などの下敷きになり、自力で脱出できなかった方のうち、5人中1人は消防や警察などの防災関係者が救出し、残りの4人は家族や地域住民の手によって助けだされたということからも、いつおこるかわからない大規模災害に備えて、自分たちの力をあわせて被害を最小限におさえられるよう、防災力をたかめていくことが重要です。

京都府においては、自主防災組織の組織率は88.8%で全国第7位ですが、高齢化や、登録だけで実際の活動が活発でないなど、課題も多く、埼玉での取り組みも参考にしながら、更に地域防災力の向上に努力をかさねていきたいと思いました。


基金を活用したNPO法人への支援について】


埼玉県では、平成18年8月に、埼玉県特定非営利活動促進基金を通じて、支援したいと思うNPOに対して、寄付を行うことができる制度を、都道府県で初めて創設されました。
もとは平成16年4月に、NPOの活動を支援し、行政との協働を推進するために、「埼玉県NPO基金」として県の積立金1億円と、県民や企業からの寄付金を原資として、NPO活動を促進するため4つの事業を実施。

それを、平成18年8月からは、「団体希望寄付金制度」を創設して、寄付をする際に基金を通じて支援したい団体を具体的に希望することができるようになり、NPOも活動をPRするなど、自らの努力で寄付金をうけられるよう、活動が活発になっているそうです。

3年間で「団体希望寄附」をはじめ「分野希望寄付」「一般寄付」の3種類の寄付金合計は平成16年に比べて、この不況の中で、信じられないようなことですが、約5倍近く増えています。

京都府においても、平成19年度から、山田知事を先頭に「京都府地域力再生プロジェクト支援事業」や「きょうとふNPO活動支援融資制度」「京都地域創造ファンド推進事業」など、積極的な取り組みをすすめているところです。
府民の皆さんから、是非今後とも続けてほしいとの声も多く、3年間の成果と課題を確認しながら、必要な施策を再構築するにあたって、平成19年度策定の「京の力、明日の力 地域力再生支援プラン」と20年度策定の「NPO協働推進アクションプラン」を統合し、「京の力、明日の力 多様な主体の協働・連携による地域力再生支援プラン」として、来年度から第二段階として、更なる取り組みに期待し、協力していきたいと思います。


NPO法人 暮らしネット・えん】

「障がいがあっても、高齢になっても、この街で暮らし続けるために」を理念として、20年ほど前、ご近所で介助が必要なお2人との出会いがきっかけとなって活動をはじめられ、2003年にNPO法人として、埼玉県新座市南部を中心に訪問介護グループホーム等、今では利用者250名、職員70名を越える5事業を展開されている「暮らしネット・えん」の小島代表のお話を伺いました。

NPO化される際に多額の費用が必要となり、その時に、スタッフの家族や地域住民のみなさんに無利子・無担保の私募債「えん債」をお願いされたところ、55名の方々から3900万円もの資金が集まったそうです。

元市会議員でもあった小島氏が、30年近く市民活動の中で築き上げてこられた地元との強い絆のおかげだと思いますが、発足当初からのスタッフも多くが継続して勤務され、定期的に研修をつまれたり、ボランティアの皆さんも生き生きと活動されています。

施設見学させていただき、きめ細かな対応と、温かい雰囲気が伝わってきました。
コンサートや、お花見会・学習会なども行っておられます。
「ひと」「もの」「お金」「場所」など、必要なものを地域の中で集め、訪問ヘルパーが自転車で動ける半径3?に、利用する人、介護する人、支えてくれる人、みんながその中に暮らす地域の住民であり「超地域密着NPO」と呼ばれています。

このような活動や「えん債」を発行して資金を調達し、自立した運営を目指していること等が評価され、「創意工夫と公共性に富んだ活動で介護に取り組む方々を励まし、ともに豊かな地域社会の建設を目指す」との趣旨である「毎日介護賞」を2009年、受賞されました。

その副賞で、20年の歩みを記した冊子を作成され、その理念を確認、継承していくよう務めておられることに、重ねて感服しました。
その一方で、介護保険制度について、独居老人も増え、制度と現状のズレがあり、福祉との連携も含め課題が多いと指摘・提言されています。


本年度の京都府議会府民生活・厚生常任委員会は、9名の委員のうち、4名が女性。
議員総数が現在60名、そのうち女性が6名で1割、7つの常任委員会のうち、本委員会に3分の2の女性議員が集まったという珍しい構成です。
今日は、地域の中で頑張っておられる輝く女性にお会いできたこと、とても嬉しく、質問等も活発に盛り上がり、視察予定時間を大幅にオーバーしてしまいました。

ご協力いただきました、皆さま、本当にありがとうございました。