3月11日に発生した東日本大震災のあと、胸がしめつけられそうな気持ちが溢れ、自分に何ができるかと思い続けてきました。早く現地に飛んで行きたいという思いの反面、いわゆる「視察」というような感じで現地に行ってお世話をおかけするのは申し訳ないと思っていたので、義援金の募金や、京都府や災害ボランティアセンターの取組をご紹介・協力をお願いしたり、福島に送る鯉のぼり作りなど、皆さんと一緒に活動してきましたが、今回、想いを同じくする「日本創生有志の会」の皆さんと一緒に福島県によせていただきました。
4月のはじめに先発で3名の方々が現地に行ってくださり、色々なご縁を結び、当時、救援物資等は徐々に届きつつあったものの、子どもたちの心が気にかかるという想いから、子どもたちにぬいぐるみを届けようという取組が始めら、2カ月間、様々な場で多くの皆さんにご協力をいただき、準備を重ね、今回その実践の第一歩として、9名が福島県に行かせてもらいました。
地震・津波・火事に襲われ未だ痛々しいままの現状、被災された皆さんのたいへんな生活に接し、報道で見ているだけでなく、実感として多くの課題に取り組んでいく必要性を痛感じました。
また、そんな中でも、懸命に毎日を過ごしておられる方々、本当に辛い体験をされたにも拘わらず、強く前向きな明るい笑顔に、こちらの方が元気をいただいたくらいでした。
このブログで報告するかどうかを長い間迷っており、言葉で表すのは本当に難しいですが、なんとか綴ってみたいと思います。
1日目は、ほうれん草やブロッコリーなど、風評被害で価格が急落、出荷制限がされていない作物も全く売れず、困っておられた農家のお宅を訪問させてもらいました。
4代目だとおっしゃる笑顔のとっても素敵な女性が、東電に補償してもらうというのには頼っていられない!心を込めて作った農作物を自分たちの手で売り出そうと工夫を凝らし、野菜やお味噌・漬物などをパックして震災1カ月後から「福島応援便」としてネット販売で全国に届ける取組を始められ、それが新聞に紹介されて今では少しずつ売上が伸びてきているそうです。
大学生の皆さんらの就農体験も受け入れておられるそうです。
新鮮なゆでたてのスナップえんどうや3代目お母さん特製の美味しいお漬物などいただきながら色々なお話を聞いたあと、桃園で、小さな桃の実の選別をするお手伝いをさせていただきました。
大きく実った美味しい桃ができるまでには、つぼみ・小さな実の間引き、袋かけなど何度も手をかけ、つぼみをつけた約95%は捨てられるそうです。
最後の選別の時にとった実は、シロップ漬けにして食用されるそうですが、これだけ手間をかけて収穫されているのだと知り、農家の皆さんのご苦労は本当にたいへんだなぁと思いました。
そうして一生懸命育てた作物が出荷できない、売れないという現実にぶつかり、それでも、ご自身でPRのチラシを手書きで作ったり、笑顔で頑張っておられるその女性の言葉が、今も心に残っています。
「来てくれて嬉しい。多くの人々に支えられている実感がある。私たちは、地震のおかげで、進化しました。」と・・・
多くの尊い生命が奪われ、今もなお多くの皆さんがたいへんな状況におられる中で、「おかげで」という言葉には戸惑いがありますが、亡くなられた多くの御魂に報いるためにも、今を生きるみんなが、懸命に生きること、そして、みんなが心を寄せあい、継続的に取り組んでいかなければならないと思います。
手指消毒用のハンドジェルをいっぱいいただいたので、車に積み込んで持っていってもらい、お渡ししました。いつも作業時に使用されており、特にこれから夏に向かい、重宝するといっておられました。素晴らしいご縁をありがとうございました。
私たちの周りには、少しでもお役にたてることをさせてもらいたいと想ってくださっている方々が大勢いらっしゃいます。
そんな皆さんの輪を拡げていけるよう、関係者の皆さんと相談しながら共に頑張って参りたいと思います。