京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

警察常任委員会管外調査

近畿大学医学部法医学教室
DNA鑑定の精度を高める「ゲノム定量解析システム」の概要及び犯罪捜査への活用について
  

犯罪や事故等の捜査に寄与するDNA鑑定については、ニュース等でよく聞きますが、過去の事例では冤罪があったり、鑑定にたいへん時間がかかるというイメージもありました。
  

このたび、近畿大学医学部法医学教室におかれては、DNA鑑定の精度とスピードを従来に比べて大幅に向上させる最先端の「ゲノム定量解析システム」を導入し、警察や司法当局との連携を強め、犯罪や事故の捜査活動に貢献されようとしています。
この「ゲノム定量解析システム」は、世界でも250台程度しか稼働しておらず、日本でも30台、そのほとんどが無菌状態の中で、ガンや難病、アルツハイマー等の治療を目的とする疫学的研究に利用されており、このように法医学分野や犯罪捜査に役立てようとされるのは、国内で初めてだそうです。
質量が極めて少なかったり、数十年経過したサンプルからでも、正確な鑑定結果がだせると大いに期待されており、25年前に採取した血液の鑑定や、約6年前から放置されている遺体の身元特定にも成功されたそうです。
新たな解析方法による鑑定方法は、提案されたばかりでありますが、説明してくださった巽教授によると、多くのサンプルによってこの研究が進むと、熟練した研究者だけでなく、このシステムを多くの人たちが活用できるようになるともおっしゃっていました。
でも、そうなるまでには、巽教授をはじめ、この医学教室のスタッフの皆さんの大変なご苦労が不可欠であると思います。
ハードな毎日を送っておられ、本日も司法解剖が必要なご遺体が3体運ばれてきたとのこと、大変おいそがしい中にもかかわらず、貴重なお話を多々聞かせてくださり、本当にありがとうございました。

京都府においても、科学捜査研究所において、DNA鑑定をはじめ、犯罪に関する鑑定・検査を行っており、新たな鑑定法の研究も進められていますが、巽教授も互いに協力しあって、より効果的な活用を考えていこうとおっしゃってくださり、そのすごいパワーに脱帽・・・

兵庫県警察学校
 若手警察官育成のための取組について
  

  

団塊世代の大量退職に伴う大量採用の影響で、30歳未満の若手警察官の割合が増加する中で、有能な人材を育成することは、どこも共通した大きな課題です。
京都府警察でも、平成23年に総力を挙げて取り組むべき業務指針として策定した「
京都平安策2011」において、若手への世代交代が進む中、強い心身と質の高い職務執行能力を兼ね備えた警察官の育成を図ることとされていますが、兵庫県警察学校においては、これまで40人としていた1クラスの定員を30名以下としたり、採用から現場に配属されるまでの段階的な取組を盛り込んだプログラム、成績審査委員会を新設して、基本実務や体力測定、武術など一定の基準に達しない場合、支援や卒業延期など、人材育成に力を注いでおられます。
漢字テストや一般常識テストの実施や、ゼミ形式による授業の拡充、教官と学生間で毎日日誌の交換をしたり、校内で教育技能研究会を開いて教官の研修も強化されています。ご説明のあと、授業の様子を見学させていただきました。
  

  

元警察署長を務めておられた女性も校付として活躍されており、お会いできてとても嬉しかったです。女性教官は7名、柔道全国大会で優勝された方も学生の皆さんと一緒に道場で指導されていました。
  

  

柔剣道場での柔道・剣道、操練場での教練の様子を見学させてもらいましたが、女性警察官の皆さんも男性と一緒に重い楯を持ちながら坂道を走っておられ、すごい!
目標となるような素晴らしい教官から指導していただき、厳しい訓練を共に頑張ることで、協調性・団結力も養われ、警察官として必要な力を培っておられることに改めて敬意を表したいと思います。
  

資料室も見学させていただき、最後にコーヒーまでご馳走になりながら、もう少しお話させていただけました。きめ細かくご丁寧な対応に、教育もしかり、万事、行き届いておられるのだろうと実感しました。
  

芦屋の山手に建てられた学校からは見晴らしも素晴らしく、春には桜、夏には寮歌祭で地域の皆さんとの交流もあるそうです。
素晴らしい環境、熱心な教官の皆さんとの出会いを大切に、若手警察官の皆さんが頑張っていかれるよう、お祈りし、関係者の皆さんのご奮闘に、心から感謝いたします。各府県がお互いに情報交換しながら、よりよい人材育成に取り組んでいただきたいと思います。