京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

とっちゃんの梅の木

10年前に小学校の校庭で当時2年生だった男の子の尊い命が奪われるという事件から、今日で10年・・・
亡くなったT君の家のそばで、ずっと親身になって寄り添い、今では子ども見守り隊の事務局長や放課後学び教室など、子どもたちのために頑張ってくださっている友人と一緒に学校へ行き、校長先生とも色々お話させてもらいました。


校長室の近くの廊下には、T君の描いた絵が飾ってあります。
校庭にはその学年の子どもたちが卒業する時に作ったモニュメントがあり、その子らの卒業式の時、一緒に写真を撮ったことを思い出しました。

校庭の現場近くには、その後、子どもたちが教職員の皆さんと一緒につくった花壇があります。
寒い中、パンジーが可愛く咲いていました。園芸委員会の子どもたちや教職員の方々がお世話いただいているそうです。
そして、今日も多くのお花がたむけられていました。

その横の梅の木の根元には、亡くなったT君が倒れていたところの土が埋められています。
昨日のブログに書いたように、4年前、急に選挙にでることになり、4月の投開票日、投票を終えてから、その「とっちゃんの梅の木」のところへ行きました。すると、花びらがヒラヒラと舞い散りました・・・
私は、とっちゃんが何か語りかけてくれているような気持ちになり、校長先生にお願いして、申し訳ないけれど、小さな枝を一本いただいて帰りました。
開票結果、34343票という多くの皆様のおかげで初当選させていただき、ご支援いただいた方々が待っていてくださった選挙事務所に向かう時、その梅の木を持っていきました。
皆さんの前で、その小さな枝を握りしめながら、安心安全な、被害者も加害者も生み出さないような、温かい街を、皆さんと一緒につくっていくことを誓いました。
今では、ほとんどの学校で子どもたちの安全を見守っていただく「見守り隊」のような活動をすすめていただいていますが、10年前には、そんな活動がほとんどなくて、事件後、犯人がすぐに見つからない中、警察や学校と協力しあいながら、自分たちの街は自分たちで守ろうと、自町連の会長さんに相談し隊長になっていただき、地域の皆さんに協力をお願いして、「見守り隊」をはじめました。
当時は今のように京都府からの支援もなかったので、これも事件のあと地元のお寺で「桜花のつどい」という子どもたちや地域の方々の交流の場として色々な出し物、模擬店や子どもたちの駄菓子屋さん、バザーなどで少しずつ貯めたお金でお揃いの帽子を作り、PTAや学校も名札や自転車につける「パトロール中」のプレートを準備してもらいました。
府議会に送っていただいてからは、実際に現場の皆さんが必要とされていることを申し上げ、それに応えて支援内容等を改善していただいていることを有難く思います。

子どもたちは、夜空に輝く一番星を「とっちゃん星」と呼んでいます。
今夜も綺麗な三日月のそばで綺麗に光る「とっちゃん星」に会えました。
いつまでも、みんなを見守っていてくれています。私もいつも、とっちゃん星に励ましてもらっています。

事件のあと、子どもたちと一緒に何かやろうと次の春に「ヒップホップダンスサークル・ドルフィン」をはじめました。
来年3月13日には醍醐交流会館をお借りして、池田東小学校の「スィングキッズ」と一緒に発表会を開催する予定です。

あれから、10年・・・
私が今こうして仕事をさせていただいている原点・・・
尊い命が私たちに残してくれたもの・・・
これからも大切にしていきます。