京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。


府議会海外調査、ストラスブール
1960年代に全廃された路面電車「トラム」に替わってバス・車社会となり、大気汚染や渋滞が問題に…
郊外に大型店舗や住宅開発が進みストロー現象
1980年代には都心に向かう1日30万台の車に対応した交通政策の必要性がクローズアップされてきました。
1989年に、車の乗り入れ規制とトラムの導入を公約に掲げた市長が当選し、都市交通計画に基づく都市改造が始まりました。
市の中心部に環状線を整備し、その内部を歩行者優先ゾーンとして、1994年にトラムを復活。
パーク&ライドの拠点づくり、自転車専用道路の整備も行われ、景観整備も含め、トラム導入を軸とした、環境に優しいコンパクトな都市再生を実現されました。
これまでの古い路面電車(トラムウェイ)のイメージを刷新するため、乗り降りする時にステップのない低床車両、大きな窓と大きなドアの素敵なデザイン、トラム優先によって渋滞の心配なし、年々整備を進め今では27もの複数路線ができた事によって、3分に1本はトラムがくるようになって、乗客もいっぱいです。
身体障がい者の方々も車椅子で容易に乗車でき、自転車も一番後ろの車両には乗り込み可能など、「交通政策」ではなく、「移動政策」という観点での政策がすすめられており、住民のみなさんの生活に欠かせない、活気あふれるトラムになっていることを実際に乗車して、実感しました。
都心の再開発内容が高い評価をうけ、素晴らしい大聖堂や古くからの歴史ある街並みを大切に残している環状道路内は世界遺産に認定されました。
ただ街並みを残すだけではなく、店舗としても活用し、素晴らしい景観を楽しみながら、多くの人々が生き生きと行き来され、オープンカフェも多く、歴史を刻む街が今を生きる人々の生活の中に溶け込み、本当に素晴らしいなぁと感動しています。
これを、そのまま京都や日本で実現できるかというと、なかなか難しいかと思いますが、いろいろな視点を京都に活かしていきたいと思います。

コルマールで、AOC アルザスワインについての調査。
アルザスワインローマ帝国時代から名声があり、人々に認められてきたものですが、1870年代に、衛生上の問題や、害虫、職人のみなさんの給与が売上額を上回ったり、シャンパーニュ以外産地の偽物が出てきたりして、ぶどう栽培の危機や大きな打撃が起こってしまいました。
1905年にシャンパーニ地方のワイン生産者がたちあがり、共同で栽培に関する規定をつくり、不正販売を取り締まる「AOC」を設立。
現在18000ヘクタールのぶどう畑15500区画で栽培される日照条件や土壌の条件等を決められた、7つの品種に限定してAOC認定がされているそうです。
また、生産量も現在80ヘクトリットルに限定されており、過剰分はAOCワインとしての出荷は認めず、他の利用をされるそうです。
AOC認定の利点としては、品質と性質が保証
され、消費者からの信頼を得られ、付加価値をつけて販売できるので、農村地域の経済的な振興につながり、後継者確保にもつながっているようです。
ワインの他にもAOC認定のチーズもできています。
また、伝統的な製法やオーガニック商品、赤ラベル商品、原産地特定のものなどもプラスアルファの認証がされるようになりました。
2006年まではAOC認定は試飲だけでしたが、OGC(ワインを守る協会)が、基準を見直し、生産条件のチェック、内容成分のチェックなど、製造から販売までを内部だけでなく外部組織にもチェックを委託して、基準を満たさない場合は罰則をつけたりして、高品質をコントロールされています。
ワイン協会の方からのレクチャーを受けてから、AOC認定のブドウ畑、ワイン工場、販売
所を姉弟で運営されている農家に寄せてもらいました。
日本語もお上手で、京都にも来られたこともあり、お着物姿の写真が飾られていました。
生産は弟さん、販売はお姉さんと分担されておられ、誇りをもって大切なワインをつくり、うまく宣伝しながら商魂も頼もしい感じ。
日本でもよいものを、どのように守り、売り出していくか、生産者自らもより一層共同して考えていくことが重要だと思いました。特に京都には多くの素晴らしいものがいっぱい!
共に取り組んでいきたい方々のお顔が浮かんできました。