京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

「京大日食展 コロナ百万度を超えて」

5月21日の金環日食を前に、京都大学総合博物館で、「京大日食展 コロナ百万度を超えて」が開催されています。

初日の4月25日にも訪れましたが、たいへん興味深く、今日は朝から「4次元デジタル宇宙シアター」の上映のため、ボランティアをしてくださる友人母子らと一緒に再度見に行きました。京都府教育委員会の遠山指導主事にも偶然お会いしました。

   
近頃、新聞やテレビなどでも、282年ぶり(京都では)の一大天体イベントである金環日食のことを取り上げられていますが、日食について、伝説から最先端科学まで、幅広く5つのテーマでの日食展を開催されています。
ゆっくり拝見し帰ろうとしていた時、花山天文台の柴田台長にばったりお会いし、再度会場で博物館の大野館長のご説明をお聞きしていたところ、KBS京都放送の取材があり、特別に写真撮影を許可してくださり、ブログにも載せていいとおっしゃってくださいましたので、ご紹介させてもらいます。是非皆さん、実際に観に行ってください!!
◆古代日食
今年は、『古事記』1300年と言われています。
    
天の岩屋戸の話は日食だったのではないか、卑弥呼の死と日食の関係、平氏を勝利に導いた水島合戦の金環日食平氏は日食を知っていたが、源氏にはその知識がなかったので慌てふためき敗戦)など、古代の神話や史実の数々。こんな時代から人々は同じ太陽や月を見上げてきたこと、繰り返させている自然の神秘に心が躍ります。

渋川春海(しぶかわ はるみ)と天文・歴学
江戸時代、だんだんそれまで使われていた暦が実際とあわなくなってきて、日本独自の暦をつくろうと苦労した渋川春海氏。日食や月食を的中させて、その正確さが信用されたそうです。その春海氏を主人公にした角川映画天地明察」(『おくりびと』の滝田洋二郎監督、出演 岡田准一宮崎あおい等)の撮影につかわれた観測装置のリプリカも展示されています。
  
 
    

  
渋川春海氏の業績をはじめ、江戸時代の天文・歴学を紹介。春海氏の肖像画は初公開だそうです。
  
中国南宋時代に製作された天文図石碑の拓本や、精密三球儀(太陽・月・地球)など、初代花山天文台の台長 故山本一晴先生がご自身で開設された山本天文台の資料の数々を拝見し、天文学一筋にご尽力され、また、このように様々な貴重な文献などを収集・保管されてきたことに感服しました。
  

◆京大日食観測隊
京都大学は世界各地に皆既日食観測隊を派遣し、その際の貴重なデータをもとに、太陽物理学に関しても多大な国際貢献をされてきました。

数々のパネル展示を見せていただき、観測に際しては事前準備はもちろん、日食の半月から一カ月近くも前から現地に入り、入念な準備を積み重ねておられることを知りました。
また、実際には準備万端整えていても、天候によって全く観測ができないということも多々あるそうで、成功例だけでなくその様子も展示されていたのが印象的で、その一瞬のために多くの研究者の皆さまがご苦労くださっていることに心から敬意を表します。

◆現代の太陽観測
京大飛騨天文台の望遠鏡や人工衛星「ひので」等による観測から生まれた太陽物理学研究の成果の紹介や、宇宙天気予報、宇宙太陽光発電等、世界をリードする京都大学の太陽研究が紹介されています。実際に観測に使われた望遠鏡や蛍光灯等を使って太陽のスペクトルの観測の様子を体験できる装置なども設置されています。
  

  

  
京都大学では「宇宙総合学研究ユニット」が結成されており、これからは宇宙というものが、私たちの生活にもっともっと身近なものとなっていく実感と、それが京都大学から発信されていることにワクワクします。

◆京にゆかりの宇宙科学者たち
太陽や宇宙に関して偉大な研究をされている科学者の皆さんにも贈られている「京都賞
花山天文台の柴田台長が京都賞審査員もされており、ここでは、太陽風を理論的に予知されたユージン・パーカー博士らが紹介されています。

「4次元デジタル宇宙シアター」
3Dメガネをかけて、立体的に映像を楽しめる宇宙シアター。太陽系を飛び出して銀河系も超えて宇宙の地平線まで旅に出かけます。
  
今日は京都大学文学部の早川君がナビゲーターとして、素晴らしい解説をしてくださいました。ボランティアとして、NPO法人花山星空ネットワークの皆さんもお世話くださっています。いつもありがとうございます。
  

金環日食」はどうしておこるのか、宇宙の成り立ちなど、とてもわかりやすく説明してもらいました。
  
また、太陽は見た目は同じように見えますが、X線撮影で撮影すると、爆発が活発な活動期の太陽と、おとなしい時の太陽の違いは歴然!これも、京大の研究で撮影に成功されたとお聞きし、感服!
  

上映は水曜・土曜・日曜日に限りますが、1日5回、各回約30分。
10時30分〜 11時30分〜 13時30分〜 14時30分〜 15時30分〜
開催日の9時30分から先着順、受付で希望上映回の整理券を一人2枚まで配布されています。とても見応えのある映像で、ご都合のつく方は、この日に行くと2倍楽しめます。

常設展もふくめ、今回は平成24年度特別展としていっぱい楽しめて、観覧料は一般400円、高校生・大学生300円、小・中学生200円。
70歳以上の方、身体障がい者手帳をお持ちの方は無料。5月20日まで。
日食展の副題「コロナ百万度を超えて」というのは、今から70年ほど前に宮本正太郎氏(後に京都大学花山天文台第三代台長)が、太陽コロナの温度が100万度〜200万度だと世界で初めて突き止められたということに因んで、観覧者の皆さんが宮本博士を超える発見を生むことを期待し、博物館の大野館長が提案されました。
来館した子どもたちに積極的に声かけされ、様々な場面で若い人たちの育成に心を尽くしていただいていることに、心から感謝しています。
取材最後に、お二人から、もう一言ずつ。

5月21日の金環日食当日の観察会や、NPO花山星空ネットワーク特製の「太陽めがね」の紹介もお忘れなく・・・ 
  

閉館後も夜遅くまで、21日の金環日食の観察会について相談されるお二人。素晴らしいご縁に心から感謝します!