京都府議会議員 わたなべ邦子ブログ

京都府議会議員(伏見区選出)わたなべ邦子の活動報告日記です。

府議会管外調査2日目

今日はまず、佐賀県DV(ドメスティックバイオレンス)総合対策センターへ。
佐賀県では、全国で初めて、平成16年4月に、女性に対する暴力の根絶を目指して、DV被害者支援に関する民間団体・機関・弁護士会・医師会などの連携を強化し、被害者支援を円滑に行うことを目的に、本センターを設置され、官民連携でDV被害者支援施策を推進されています。
センターではDV被害者からの相談・保護・自立に至るまで、支援機関の連携を図り、総合的な取り組みがおこなわれています。

また、たいへん参考になったのは、予防教育事業として、中学生向けの「からだ いのち こころ」を実施されていることでした。
県内の中学生・教職員・保護者を対象として、いのちの尊さを知り、自己の身体を守り、相手の心と身体を思いやる教育を実施し、DV予防に関する知識や意識をもって安全な行動を選択できるようにとの、取り組みがされています。

教職員向け研修、保護者向け研修と、生徒向けには講演会及びグループワークを学年単位で実施し、事後にはアンケートをとって、全体の課題の把握や、個々の実態に合わせての指導にも役だっているそうです。

中学1年生は、主に助産師が担当され、「命の大切さ」「中学生男女のつきあい」について。
2年生は、主にDV総合対策センターが担当され、「相手を思いやり自分を大切にする」「危険な誘いから自分の身を守る」など。
3年生は、男子は男性の産婦人科医またはセンター、女子は保健師または助産師(今年度からは男女混合プログラムも選択可)が担当し、「エイズを通して命を考える」「年上の相手との交際の危険など。」

センター長を先頭に熱心な取り組みを重ねていくことで、DVを予防し、だれもが安心して暮らせる県を目指しておられます。

京都府においても、平成18年3月に策定した「配偶者から暴力の防止及び被害者の保護・自立支援に関する計画」を21年3月に改定、ドメスティックバイオレンス対策事業費や、22年度当初予算では新規事業として家庭支援充実強化対策費も計上し、本年4月5日にはDV相談支援センターの機能も持つ「「家庭支援総合センター」を開設し、より一層、家庭問題に対する総合的・専門的な相談支援を推進しようとしています。


次に、沖縄県那覇市立病院へ。
昭和55年に開院された那覇市立病院は、一時深刻な経営不振におちいり、平成7年には第四次病院事業経営健全化団体に指定されたこともありましたが、平成8年からはほぼ黒字を維持している「健全経営の自治体病院」でした。

その後、平成18年年度の診療報酬の改定に7:1看護基準が導入された際に看護師確保が困難となり、国の様々な医療制度改革に迅速に対応し、健全経営を維持していくため、病院主導で「地方独立行政法人」に移行。
独立法人化によって、各種課題への対応の迅速化や柔軟性が格段に向上し、患者の皆さんにとってもよりきめ細かな医療を提供できるようになったそうです。
独立行政法人化が目的ではなく、それによって市の職員定数から離れて人材確保対策・収入増・支出減など、さまざまな病院改革に取り組み、大きな成果をあげておられます。


続いて、那覇市にある沖縄県議会に行き、犯罪の起こりにくい安全・安心なまちづくりのための「ちゅらさん運動」についてお聞きしました。
沖縄県では、犯罪の発生を抑え、すべての人々が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、平成16年4月に「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」を施行。
条例の推進体制として、県知事を会長とする「推進会議」、県内14地区の首長を長とする「推進協議会」を設置し、県民や学校・警察・事業者が一体となった「ちゅらさん運動」推進されています。

「ちゅら」とは「美しい」という意味で、3つのキーワードのもとに取り組みを展開。
 ・「ちゅらひとづくり」・・・子どもたちの健全育成 (「子ども安全・安心プロジェクト」 青少年の居場所づくり・地域安全マップの作成など)
 ・「ちゅらまちづくり」・・・安全・安心な環境の整備 (防犯モデル共同住宅・駐車場登録制度 暗がり診断・対策など)
 ・「ちゅらゆいづくり」・・・地域コミュニティーの再生 (自主防犯ボランティア団体への支援 「安心ゆいメール」 防犯リーダー養成講座 高校生を対象とした
               「命の大切さを学ぶ授業」 「被害者支援を考える講演会」など)

「できるときに できることから」をキャッチフレーズに、通学時の児童の見守り活動や防犯パトロール、地域の公園や道路の美化・清掃活動、放置自転車の整理活動、地域でのあいさつ活動、花いっぱい運動など、多くの皆さんに参加してもらうことで、地域の防犯意識が高まり、犯罪の起こりにくい地域社会づくりに努めておられます。

活動の推進によって、自主防犯ボランティア団体数は、平成15年度末に98団体から、20年度末には596団体に増加し、刑法犯等の犯罪発生数は、
平成14年末の約25000件をピークに、平成20年末には約15000件と6年連続減少しているそうです。

具体的な取り組みをされている皆さんにもお越しいただき、色々お聞きして、たいへん参考になりました。

FMラジオ(FMとよみ)の番組の中には、週一度、「電波警察豊見城署」という番組が・・・
現職警察官(生活安全課・交通課)が出演され、街のさまざまな情報をお知らせしたり、オープニング・エンディング曲には「ちゅらさん運動」のオリジナルソングや、番組途中にも、出演される警察官のお好きな曲等が紹介され、中学生にもファンがいるほど、多くの皆さんから親しまれているそうです。

また、豊見城署管内では、青少年の深夜はいかいを防止しようと、日曜日を除く毎日午後8時から10時、各種団体がボランティアで「みーまーるナイトパトロール」を実施されています。
青色回転灯を取りつけた車両で巡回して、子どもたちを見かけると声かけ、早く帰宅するよう促し、同署管内では深夜徘徊による補導件数が伝承するなど、効果が表れているそうです。
今日は、火曜日を担当されている商工会青年部の皆さんが出席いただきお話を伺いましたが、それぞれ、本当に「子どもたちに素加也かに育ってもらいたい!」という気持ちが強く伝わってきて感動しました。このように多くの若い皆さんも温かい心で子どもたちのため、街のために頑張ってくださっており姿を見ながら、子どもたちは心豊かに育っていくだろうと嬉しく、ご尽力いただいている多くの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
FMとよみでは、毎週火曜日、「豊見城市商工会青年部のゆんたく通信」という番組もあって、その中で10分間、パトロールの現場との電話中継もあるそうです。

このようにラジオ局との連携や、「ちゅらさん運動」ロゴマーク入りバッジ(ちゅらさんバッジ)の普及促進、子ども地域安全マップの優秀作品展・作品集の作成、オリジナル曲にあわせてのダンスコンクールなど、多くの皆さんが興味を持って、明るく、取り組んでおられることを本当に素晴らしく感じました。

京都府においても、平成16年12月議員提案の「京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例」を制定し、、地域防犯活動の拠点「府民協働防犯ステーション」の設置や子ども見守り隊活動、山田知事自らが先頭になっの「割れ窓理論」実践活動など、地域防犯力の向上に努めています。

被害者も、加害者も出さない、ぬくもりのあるまちづくりのため、これからも皆さんとともにがんばります。